カレイドスコープ〜先生を想う日々〜
「ずっと単純作業だから飽きるよな。」


始めてから10分くらい経っていた。


「そうですね。量も半端なく多いですし…。」


段ボールの中の会報は、なかなか減らない。


「どうせなら楽しく話しながら作業するか!他の2学年生徒は今頃、沖縄で旅行を楽しんでいるだろうから。」


やっぱり先生も行きたかったんだね。


「先生は沖縄行ったことありますか?」


「ないんだ。だから今回同行出来るってことになった時、嬉しかったんだ。準備もしたんだけどな…。」


いじけたような言い方をする先生が可愛く感じた。


「私も準備したのに行けなくて、落ち込みました。」


「俺と三咲は修学旅行行けない組かあ…。なんか気が合ってるのかな。」


先生、今…気が合ってるって言ったよね…?


なんだかすごく嬉しいよ!


『行けない組』になれたことに喜びを感じていた。



< 172 / 225 >

この作品をシェア

pagetop