カレイドスコープ〜先生を想う日々〜
1時間程で授業の準備は終わった。


「今日は本当にありがとな。三咲のおかげで助かったよ。」


「いえ…大したことしてないですけど…」


“助かった”なんて、言われて照れてしまった。


「雑用ばかりやらせちゃってごめんな。今日は、これで家に帰って休んでくれ。」


「私、平気ですよ。雑用嫌いじゃないですから。」


…というよりも、もっと先生と一緒にいたいな…。


それが本音だ。


「あんまり無理させるわけには、いかないからな。」

そっと先生が私の頭に手をのせた。


手のひらから優しさが溢れている気がした。



「…明日も調子良さそうなら来てもらってもいいかな?」


「もちろんです。」


そんな風に聞かれて断る生徒は絶対にいないと思った。


もう今から明日が待ち遠しくなる。



きっと今日みたいに素敵な日になるんだろうな。



< 181 / 225 >

この作品をシェア

pagetop