カレイドスコープ〜先生を想う日々〜
「今年、30になります。みんなから見れば、オジサンだよな…やっぱり。」


そう言って頭をかいている。


30…見えないなあ…。


オジサンなんて言葉は似合わないよ…。


「そろそろ授業始めるか!あんまり時間潰すとマズイからな。」


先生はテキストを広げた。

もっと先生の自己紹介を聞きたかったなあ。


私も何か質問したかったけれど、手を挙げて聞くほどの勇気がなかった。



今日は授業初日、しかも一番最後の時間ということもあったせいか、先生は早めに授業を終わらせた。


「次回からはどんどん進めるし、指名するからな。それじゃあ1年間よろしく。」



先生が挨拶し終わると、途端に生徒が集まって先生のまわりを囲んでしまった。


しかも女の子ばかり。



< 19 / 225 >

この作品をシェア

pagetop