カレイドスコープ〜先生を想う日々〜
コンクールが始まり、私たちのクラスの順番がまわってきた。


みんな少し緊張した面持ちでステージに上がった。


入江先生はホール後ろの方で座って見ている。


先生、私を見てくれているといいな…。


緊張してきてしまった。


ピアノの伴奏にのせて、私たちの合唱がスタートした。


指揮者から時々、目線を先生にずらすと、先生は真剣に歌を聴いてくれている。

先生に私の歌声を聴いてほしくて、いつもより大きく声を出していた。


届いているといいな…。



歌が終わった後、先生も拍手してくれていた。


私が先生の方を見ていると、先生が右手でOKサインをした。


私の、“先生、歌声聴こえましたか?”っていう心の声が伝わったような気がして、嬉しかった。



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