カレイドスコープ〜先生を想う日々〜
そーっと音をたてずに中に入ると、ちょうど先生はステージの上で、合唱コンクールと書かれた幕をたたんでいた。



「入江先生!」


いきなりで、先生は驚いたようだった。


「三咲、忘れ物でもしたのか?」


先生は笑いながら幕をたたむ作業を続けている。


「あの…手伝いましょうか?」


私もステージ横の階段からステージに上がった。


「ありがとう。でも、これで終わりだから大丈夫だよ。」


そう言って、手に幕を抱えこんだ。



なんか、私…ステージまで一気に上がって来ちゃったけど、すごく大胆な行動してるじゃん。


はっと気付いた途端、急にドキドキしてきてしまった。



< 196 / 225 >

この作品をシェア

pagetop