カレイドスコープ〜先生を想う日々〜
「万華鏡は、見える世界に同じものってないだろ?その時々、回す度に様々な形を見せてくれる。」


万華鏡を見ている先生は少年の頃に戻ったかのようだ。


こんな表情もするんだ…


意外な一面を見れたなあ…。


「万華鏡と俺たちが生きるこの時間って通じるものがあると思うんだ。」


「通じるもの…ですか?」

先生は万華鏡を机に静かに置いた。


「時間も同じ時は二度とないだろ?進み続けるばかりで、同じ日に戻ることはない。」


私はうなずいた。


「万華鏡の一瞬の世界を見ていると、日々の時間を大切にしないといけないなって思うんだ。」


にこりと私に向かって微笑みながら話す先生。




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