カレイドスコープ〜先生を想う日々〜
「でもプレゼントとかあれば良かったんですけど…。」


先生はにっこり笑う。


「俺はプレゼントもらうよりも、こうして言葉で“おめでとう”って言ってもらえる方がいいな。」


ドキッとするよ…。先生。


先生に喜んでもらえたみたいだけど、


どっちかというと、私の方が誕生日のような気分だ。


先生の言葉で心が弾んでいる。


さっきまで、追試に憂鬱感があったことを忘れるほど…。


化学室にも夏の夕暮れの日差しが差し込んでいた。



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