カレイドスコープ〜先生を想う日々〜
ふと気が付くと、まわりにお母さんたちの姿はなくて、私1人だった。


「お母さん?」


何度も呼んだけど、返事が聞こえてこなかった。


“迷子になっちゃった。”


見知らぬ場所で、こんなに大勢の人が行き交う中で、どうやって探せばいいんだろう…?


もう会えなくなったらどうしよう…。


そう思った途端、涙が溢れてきた。


その場で泣き出しちゃって、屋台のオジサンも、周りを歩いていた人たちも、どうしたんだろう?って思ったんだろうな。



「どうしたの?」


そんな時、泣きじゃくる私に声をかけてくれたお兄さんがいたんだ。



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