カレイドスコープ〜先生を想う日々〜
「素敵なものまで頂いてしまって…本当にありがとうございます。」


お母さんは深くお辞儀をしていた。


「いえ。大したことしてないですから。それじゃあ失礼します。」


それから私の方を見て、


「お母さんと会えて良かったな!」


そう言って、人ごみの中に消えていった。


優しいお兄さんだなぁ…。


万華鏡を見ながら、もう姿の見えなくなったお兄さんに向けて、


「ありがとう!」


そう大きな声でお礼を言ったんだ…。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇



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