カレイドスコープ〜先生を想う日々〜
あの時のお兄さん…、顔とか涙目で見ていたから、歪んでよく分からなかったけど、


いいお兄さんだったな…。

「三咲?どうしたんだ?急にぼーっとして…。」


はっと我にかえった。


昔のことを思い出していたら、ついぼんやりしていたみたいだ。


「何考えてたんだ?」


「いえ…。なんでもないです。」


もしかしたら、あのお兄さんが私にとって、初恋の人…なのかもしれない。


先生には、この万華鏡の話は内緒にしておこう。


なんだか、そっと心に閉まっておきたい思い出だ。



それに今、私が好きなのは先生なんだから。



< 84 / 225 >

この作品をシェア

pagetop