カレイドスコープ〜先生を想う日々〜
「三咲は誰かの応援か?」

先生は首にタオルをかけた。


「いや…えーと…部活が終わったので、何となく…。」


かなり動揺してしまった。

こんなに体育館まで一直線に走ってきておいて、この理由はないよなあ…。



先生、きっと体育館を覗く私の姿もばっちり見ていたはずだし。


どう考えても、誰かを見に来たって思うよね。



“先生のこと、見に来ました。”


言葉では恥ずかしくて言えない。


だから心の中でそっと言った。



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