キミのトナリ
「あのね…
俺磨美に言いたいことあるんだ。」
隼人は
今までにないほど
真面目な顔でアタシを見ている。
隼人は続けた。
「昨日この歩道橋で
磨美に出会った時
失礼かもしれないけど
綺麗な顔してるなって
思ったんだ。
うちらまだ知り合って短いけど
昨日一緒にいた
少しの時間の中で
どんどん磨美に惹かれていったんだ。
それで、
川に一緒に行った時
磨美が泣いてて
俺、自分でも
よくわからないけど
磨美を守りたいって
思うようになったよ。
俺、磨美が好きなんだ。」
隼人の言葉
アタシの心に響く。
隼人は更に続けた。
「ごめん。
まだ知り合って間もないんだけど、
頼りない俺だけど
俺に磨美を守らせて下さい。
てか
付き合って下さい。」
アタシは
ビックリした。
それから目に浮かぶ涙。
「磨美?
ごめん。
嫌なら良いんだよ。
振ってくれても。」
「振らない。
アタシも隼人の事
好きだから。」
アタシは
涙を流しながら
笑いながら隼人に言った。
「じゃあ
なんで
泣いてるの?」
隼人はアタシを
抱きしめながら言った。
「泣かせないって
思ったのに
もう
泣かせちゃったよ。」
隼人が困りながら
言うから
アタシも隼人を抱きしめながら
「これは
嬉し涙だよ。」
って
伝えた。