キミのトナリ


「赤い糸の先に
ハートのチャームが
付いてるでしょ?

これって
赤い糸みたいじゃない?
それで
なんで
互いの名前が入ってるか
と言うと…
俺の赤い糸の先には
磨美がいて
磨美の赤い糸の先には
俺がいる。

お互い
運命の赤い糸で
繋がってるって
意味」

隼人は
生意気な顔をして言った。

「うれしい。
隼人ありがとう。」

こんな
手の込んだ事してくれる
なんて
思ってもみなかった。



「感動した?」
意地悪な顔して
聞いてきた。

「うん。」
このストラップは
指輪より
何より
意味のある物に
思えた。



その

アタシ達は
お互いの携帯に
ストラップを
付けっこした。




「磨美。
俺のそばにいてね。」
さっきまで
子供みたいな隼人が
急に
大人びて見えた。



「当たり前じゃん。」
顔を真っ赤にして
アタシは伝えた。




すると
また
涙が
こぼれた。


久々の涙
「心配しないで
これも嬉し泣き。」


先に言ったアタシを見て
隼人が笑いながら
アタシを抱きしめた。



もう
なんにも
いらないって
思ったんだ。



隼人も
同じ事思ってる?


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