キミのトナリ
暫く沈黙が続いた。
意味わかんない。
あの『愛してる』って言ったのは嘘?
『お前だけだよ』は?
『いつか、あいつと別れるから、その時は結婚しようね』は?
全部の言葉は嘘なの?
悔しすぎて涙がでないよ。
なんでなの?
頭の中がグルグルしてる。
グルグル巻き。
アタシじゃない他の子を選ぶの?
嘘に騙されてたの?
どうしよう
こんな時どうすれば良い?
多分可愛い女の子なら
『イヤだよ』とか
『別れたくない』とかの言葉を涙を目にためて言うのかな?
でも、アタシには無理だ。
感情の起伏がないし
今更可愛い子なんて演じられない。
「駅まで送るよ。」
そう言って彼は車に乗り込む。
惨めなアタシに惨めな結末。
彼はアタシを駅まで送って車を走らせた。
彼の車を見えなくなるまで
見送った。
なんなの?
ヤケにアッサリじゃねぇーか!!
冷血人間!!
…って
アタシもか。
本当は
『嬉しい』とか『愛してる』とか
言えれば良かったのに。
嘘な言葉を並べた
「つまんない」とか
色々。
もう並べるときりがない位。
自分で蒔いた種。
…嘘言葉…
最悪。
バカ。
今更涙がこぼれてきた。
もっと泣ければ良かったのに。
もっと笑えば良かったのに。
アタシは臆病なの。
でも
彼を愛してた。
だから
彼が困るような事したくなかった。
だから、嘘言葉を並べた。
本当なら『愛してる』って
言いたかった。
大好きだった。
あの人には
もう
会えないのね。
アタシは駅の階段にうずくまり
声を殺して泣くことしか
出来なかった。
涙が枯れたら
自分を誉めてあげよう。
彼の事を
一生懸命愛した事を…
自分の気持ちを押し殺し
彼が奥さんと別れないように
頑張ったから
結果奥さんと別れて
アタシじゃない他の女をえらんだけどね。
明日はデパートに行って
大好きなマカロンを死ぬほど
食べよう。