キミのトナリ


だって
アタシをあんなに傷つけて
幸せなアタシの前に現れて
『寄りをもどしたい。』
だって?




ふざけんなよ!!




心の中で叫んだ。



「もう帰って。」
前髪をかき上げて伝えた。



「いつか気が変わったら
連絡してよ。」
悲しそうな男。



思い切って
扉をしめた。




なんで
邪魔するの?
今更
アタシの中に入ってくる
あいつ。



ふと鏡を覗くと
最悪な顔のアタシが
写ってた。




………
またインターホンがなる。



もう
イヤ…。
また
あいつなの?



「磨美?いないの?」
隼人の声。
すぐにドアを開ける。



アタシは泣きそうになっていた。



「磨美どうしたの?」
心配してる隼人。
「なんでもないよ。」
嘘をつくアタシ。



隼人
助けて。
隼人
アタシ
ごめんなさい。
隼人に
伝えたいけど
伝えられないよ。
あの男の事…
アタシとあいつの事…




伝えたいよ。




これからも
そばにいて。




「磨美?」
アタシはギュッと隼人を
抱きしめた。
「お願い
暫く
このままでいさせて。」


隼人はアタシを
ギュッと抱きしめた。



優しいぬくもり
優しい鼓動。
優しい隼人。
< 41 / 82 >

この作品をシェア

pagetop