キミのトナリ


隼人ごめん。
今のアタシは
まるで何か大きな物で
頭を殴られたみたい。




「磨美お願い。
話をさせて」
震える隼人の声は
大きくなった。




なんで?




隼人に振られたら
アタシはどうすれば良いの?
もう立ち直れないんだよ。





苦しめないで
ねぇ。




「磨美。
ちゃんと話をしよう」
隼人の声に
体が動く。



元気な振りをしなくちゃ。
隼人を苦しめるなんて
耐えられない。



ガチャ



扉を開けた。
抱きしめる隼人の体は
とても
冷たく
冷えきっていた。




アタシは
静かに腕をほどく。
「磨美。」
隼人の呼ぶ声が
遠くに感じる。




「ごめんなさい。
何も聞きたくない。
信じられない。」



アタシからは
その言葉しか出て来ない。




苦しいよ
隼人。
悲しいよ
隼人。




隼人は
後ろに下がり
ドアを出て
静かにドアを閉めた。



終わった。
何もかも
終わった気がする。
終わった気がした。



アタシの
何が
いけなかったのだろう。
アタシの罪のせいなの?
アタシの罰なんだろう。
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