キミのトナリ
第十章:ごめんね。


気づいた時には
病院にいた。



アタシは
どうなったんだろう。



アタシを
見つめる顔に
懐かしさを感じる。



「磨美。
何やってんだよ!!」
聞き覚えのある声
怒ってる声にも優しさを感じる。




そこには
紛れもなく隼人が
座ってアタシを見ていた。




「ごめん。」
アタシは隼人に伝えた。
体を起こすこと出来ないで
ただ
隼人を見つめる。



隼人は
言葉を飲み込んでるみたい
アタシをじっと
見つめて
一筋の涙を流して
アタシの手を握った。




アタシは
そんな隼人の顔を見て
涙を流した。



隼人は
アタシの頭を撫でながら
泣き笑いをしていた。



そんな隼人に
アタシは
いたたまれない気持ちになって
また
「ごめんね。」

呟いた。



すると
隼人は
口を開いて
「磨美。
俺…怖かった。
磨美が浴室で倒れてて。」
泣きながら
話す隼人は
苦しそうに
喉を詰まらせて話した。
アタシは
横になりながら
泣きながら
何度も
首を縦に振って
隼人の話を聞いた。
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