キミのトナリ


本当に…



辛くて
苦しい
その事しか
頭になくて



本当に守るべき者を
忘れていた。
お腹の子は
一人じゃ
生きられないのに…
隼人の事だけで
頭がいっぱいだった。




アタシの腕や体は
痩せていた。
自分がしてしまった事が
凄く怖い。




これからは
お腹の子を優先にしよう。




また
いつか
隼人とやり直す事が
運命ならば
きっと
また
どこかで
隼人と会えるから。




アタシは
笑顔で
隼人の帰りを
待ち続けるからね。




どこに
いるかなんて
わからないけど…。



「幸子ごめんね」
アタシは涙を溜めて
笑った。
幸子は首を横に振った。



許してくれる
幸子が
あったかかった。




だって
幸子は
子供を流産してるから
それを知ってて
アタシは子供を失う所だった
子供の事を忘れてて
最低な女になる所だった。




幸子ごめん。
そしてありがとう。




心から
感謝してるから。



外を見ると
桜の木が風に揺れて
花びらが舞い落ちる
凄く綺麗な景色だった。
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