君ヘノ思ヒ

優 6  お土産

そのまま私は奴の元を離れ、考えないように、優との時間を楽しむことに集中した。




こうして、優と2人だけでゆっくり飲むのは初めてだ。



男の子と2人で飲みって、距離がすごく縮まるよね。  ゆっくりとお互いの事を知ることができる。

少なくとも、私にとっては貴重な時間。




そして、優がお土産をくれた。



本当に ”お土産” という名に相応しく、GAPの ”練香水” と ”マニキュア” だった。



金額にすればそれほどでもないけど。  全く特別なものではないかもしれないけど。

でも、私には、優の人柄と気持ちがすごく表れている気がして、とても嬉しかった。




女の子にとっては簡単な買い物。

でも、きっと優は、売り場で私の事を考えつつ、どの香りがいいかな。。。 とか、どの色にしよう。。。 って。




そんな場面を想像したら、すごく嬉しくなって、なんだかとても、優に惹かれた気がした。




そして、そんな穏やかな気持ちでの優との飲み。

優の魅力がどんどん増していく。

彼の事を知れば知るほど、私の心は急激に彼の方へ動かされていった。




”優はすげぇモテるんだよ”  よく、優の友達たちが言っていた。

その意味が、初めて分かった気がした。





帰り道。




優に告白された。





私は。。。。




もちろん、優に惹かれ、急激に惹かれ、恋らしき感情が芽生え始めていたのは事実。

でも。。。。



そう。  ここで ”でも” という言葉が出てしまう。



優の魅力にふれ、男として意識し始めたのは今日が初めて。

どうしても脳裏に奴の事が浮かんでしまう。。。  数時間前に会ってしまったあいつ。。。




あの時、奴が現れなければ、ここでの展開は変わっていたかもしれない。   いや、変わっていたハズ。





私は。



”優、酔っ払っちゃったの~?!” なんて、自分も酔っぱらったフリをして軽く流してしまった。
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