君ヘノ思ヒ

優 7  迷い

もう頭の中がグチャグチャになっていた。



どうしたらいいんだろう?   どうしたいんだろう、私。。。   どっちのことが好きなんだろう。。。





たぶん。



答えは出ていたはず。




どうしたいか?



きっと本心には気づいていたはず。





でも私は、損得を考えない本心にフタをして、すべての状況を飲み込んだ上で比べていた。

だからこそ、2人の間で迷い、揺れていた。




彼女がいるくせに、私のことも手放さないアイツ。

手放さないのは ”私の事を好きだから” ではなく、 ”私が自分に気があること” を知っているから。

”戻る場所があるヤツ” は焦らない。   それどころか ”付き合う” という選択肢はない。



そんなヤツを、報われないのは覚悟で、 ヤツの ”ほんの束の間の火遊び” に付き合って、 それでもいいと満足して思い続けていけるのだろうか。




それならいっそ。




自分の事を想ってくれる優。

中身を知るごとに、どんどん魅力を増していく優。

付き合うという形で、きちんと向き合うことができる優。





心だけで決めるのならば、この時点での気持ちはヤツへのほうが大きかっただろう。



優の自分の事を想ってくれるという安心感に心が大きく動く。

これは、自分の気持ちというより、ズルさや逃げから来る、損得を考えてのことだ。




それでも、私は迷っていた。

全部ひっくるめて、どっちが好きなんだろう。。。   どっちの道を行きたいんだろう。。。




2日後。

ハッキリした答えも出ないまま、半ば、もうヤケになって、ケータイを手に取った。
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