君ヘノ思ヒ
”優との飲み、どうだった?”



珍しく、そんな話をふられた。  今までなら、”他の奴なんて関係ねぇ”って態度なのに。




”楽しかったよ~♪   すごくカワイイお土産ももらったし❤”



わざと大げさにはしゃいで見せた。  焦るかな?なんて期待しながら。




そして、ヤツは焦りもせず、

”良かったじゃん。  アイツ、すげぇ一生懸命探してたからなぁ。 お土産。”



キュンとした。。。  私が想像していた通りだったんだ。。。  優。。。

頭と心が優を思い出す。。。  優の魅力がまた少し増していく。。。






”これ、やるよ。  お土産。”



色々な人へのお土産が入っているらしき袋の中からガサゴソとあさり、そっけなく手渡す。




日本未発売、バナナリパブリックの香水。



額にすれば、もちろん、優のお土産とは比べ物にならない。

でも。。。





”え~? いいの~?  これ、日本じゃ手に入らないんだよ?”



この言葉が精一杯だった。



これは、私の為に選んで買ったものではない。

いつ、誰にあげてもいいように選ばれた、女心をくすぐる為に用意された物だ。



それを確信した私は。。。

私の女心は全くくすぐられなかった。。。




それどころか、後悔の念が押し寄せていた。





なぜ私はここへ来たんだろう。

なぜあの時こいつに電話をしてしまったんだろう。

なぜ優に惹かれたあの時の自分の気持ちを信じなかったのだろう。

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