君ヘノ思ヒ

優 10  恋の行方

そう、私は気づいてしまった。。。



いや、なぜ今まで気づかなかったのだろう。。。




私の本当の気持ち。。。



優を知り、中身を知れば知るほど彼に惹かれていった。

それこそ ”人を好きになる” という事。



ヤツに関しては、外見や雰囲気といった、外身だけを見て好きになっている錯覚を起こしていただけだった。

そういえば、初めてヤツに会った日、ヤツに惹かれたきっかけは 『元彼に似ている』 だった。





というより。



私の今までの恋はもしかしたらすべて後者の方だったかもしれない。

大げさかもしれないが、私は優に会って、初めて ”人を好きになる” ということを知ったのかもしれない。





ここにきて初めて気がつくなんて。。。




でももう遅すぎる。。。




優とヤツが親友である以上、私がしてきたことがお互いに知れることは時間の問題だ。

優から告白され、それを冗談の混じりに軽くかわし、その上ヤツの方へ来てしまった。。。





今さら気がつくなんて。。。

バカだ、私。。。




優の偉大さに、いや、私にとっての存在の大きさに気がついた。



でも、もう遅い。   後戻りはできない。





その日以来、自分の気持ちがハッキリとわかって以来、ヤツへの気持ちは全く失い連絡を取ることを拒否するようになった。




そして。



優に電話したい気持ち・話したい気持ちは日に日に増していったが、臆病な私は、罪悪感を引きずり、何もできなくなっていた。



そしてヤツから聞いたのであろう。 優からも連絡はないまま、ただ時間だけが過ぎていった。   
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