君ヘノ思ヒ

優 4  待ち合わせ

数日後。




お土産をもらうという理由で、優と2人で飲みに行くことになった。




彼からの連絡も一向になく、 ”もう いいんだ!!” 半ばやけっぱちだった。



”今日は優との飲みを楽しもう!!”





仕事後、自分の気持ちにケリをつけるかのように、勢いをつけて待ち合わせ場所に向かった。





到着。



まだいない。   とそこで電話が鳴った。



”遅れるのかな?”     ケータイをカバンから取り出した。





!!!!






ヤツだ!!!!





電話の相手は、優ではなく、その親友の方だった。  そう、私がふっ切ろうとしているヤツ、本人だ。



何でこんな時に。  こんなタイミングで。





”もしもし?”




”もしもし  お前さぁ、今何してんの?”




”え、今? ・・・あー、今ちょうど仕事終わったんだよね”    



とっさに、優と飲みに行く約束を隠していた。   それどころか、”今から会おう” と言われたらどうしようかとまで考えていた。




”これから何すんの?”     



き、来た!!   ”何もないよ” と言いたい自分と、 ”ここで優を裏切ることができるか?!” という小さな良心が戦っていた。


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