産んでくれてありがとう
第一章 母親の決意

第一章でも書いた通り俺を産んでくれた母親は、俺を産んで直ぐに死にました。だから俺の記憶の中に産みの母親の顔はありません。これから書くことも話を聞いただけなので、その辺はご理解ください。


俺のオカンは、俺をお腹の中にやどしてから直ぐにオヤジから出産を反対され施設に逃げ込みました。
理由は2つ、1つ目はオヤジがヤクザで命を狙われて、後取りの俺まで命を狙われるから。
2つ目は、オカンには旦那さんがいて、オヤジとは不倫の子供だったからです。そしてオカンにはその旦那さんとの子がいて。それが俺との今現在でもゆういつ血の繋がった兄貴です。

そしてオカンが死んだ理由は子宮ガンだったのです。俺を産めば死ぬと医者に言われそれでもオカンは「俺を産みたい」そういってくれました。
オカンのその時の気持ちは男の俺にはわからない所もあります。ただその時オカンは物凄い辛い気持ちだったと思います。兄貴の手を引いて連れて施設へ逃げ込み、子宮ガンと宣告されて、命と引き換えにもう一つの命(俺を産む)という選択をえらんだおかん。俺は今でも感謝してます

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