Secret Word

 機内でも彰と彩未はベッタリで美月の入る隙すらなかった。

美月は斜め後ろの席から見ていた。

彰だけを。ずっと。

彰を見ているうちに、心がどんどん痛くなる。

彰と目があっても見ないフリ。

彰が見ているって思うだけでも顔が熱くなって、心臓が飛び出そうになる。

 飛行機の電気が消え、彩未もスタッフもみんな寝付いたとき、彰は美月のほうを見た。

「なぁ美月」

彰に名前を呼ばれたのは久しぶりだ。

呼ばれただけでドキドキする。

「なに?」

少ししたを向きまがら美月は答えた。
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