メガネくんと私
ハッ!
メガネくんの一言で我にかえった。
やばい、やばい。
素晴らしい妄想の世界へトリップしていたよ。
「望…大丈夫?」
雪乃が心配そうに私の顔を覗き込んだ。
「アハハ。大丈夫、大丈夫!」
ただ妄想してただけですから。なんて言えない…。
クッ、クッ
私のそんな思いを全てお見通しなのかメガネくんは一人だけ笑ってる。
「琉也はなんで笑ってんだ?」
お兄ちゃんは不思議そうにメガネくんを見た。
「ん〜?別になんでもねーよ。
さてと、そろそろ帰ろうかな。
望、行くぞー!」
「あっ!うん。待って!」
私が慌てて立ち上がると雪乃も
「じゃあ…私も…」
と、立ち上がった。
「足立はまだここにいればいいよ。」
「そう、そう。
二人の邪魔したくないからうちらは帰るだけ。
まだ面会時間あるから雪乃はいなよ♪」
「うん。」
雪乃は少し顔を赤らめてイスに座り直した。