メガネくんと私
それからお兄ちゃんといろいろ話しをして、夜も遅いのでメガネくんと私は家へ帰ることにした。
行きは急いでたからタクシーで来たけど、帰りはなんとなく歩いて帰った。
その方が、まだ興奮している頭を冷やせるから。
「道路に飛び出した子供をかばってひかれた…なんて、楓らしいな。」
メガネくんがこっちを見ながら話し掛けてきた。
「…そうだね。」
メガネくんの方は見ないで前を見つめて返事をする。
「望〜…まだ怒ってるのかぁ?さっきの話。」
「当たり前でしょ!」
ジロっとメガネくんを睨む。
―…そう。さっきまで感謝したいぐらいの気持ちだったのに、お兄ちゃんの一言でそんな気持ちは吹っ飛んだ。