Cutting☆Lovers
それから、髪を渡す以外では連絡なんてこなかったのに、ある日今日暇なら会えませんかと連絡がきた。

特に用事もないあたしは、一言返事で了承した。

指定されたのは、駅前のカフェで、そこに似つかわしくない和服姿の上田がそこに居た。

「今日は、紗羅さんに見せたい物がありまして…」

いつもながら、年下のあたしに丁寧な口調。

大人だなって思う。

差し出されたのは一本の筆。

意味が分からないあたしは、首を傾げる。

「筆…?」

「はい。その筆の毛は紗羅さんの髪も混ざっています」

「えっ?」

ただの変態なのかと思っていたけど、何だか違うみたい。



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