Cutting☆Lovers
「どなたかは、存じませんが紗羅さんは、僕とご一緒しているのでご遠慮していただけますか?」

こんな奴にも大人な対応の上田。あたしだったら、喧嘩腰でものを言うだけだったと思う。

「お前、誰なんだよ?」

「あなたこそ、どなたですか?人にものを尋ねる時は自分から名乗るものですよ」

態度も変えずに、淡々と話す上田に苛立ったらしく、うざいと言いながら去って行った。

何事もなかったように、行きましょうと促され歩き出した。あたし達に会話はなく、苦しくなってあたしから話し出した。

「何も…聞かないの?」

「聞いてほしいんですか?」

直ぐに返された言葉に何にも言えなかった。



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