Cutting☆Lovers
「…」

「紗羅さん?」



えっ。

嘘だ。絶対、嘘。



あたしってば、今現実逃避真っ最中?


だって、上田があたしに好きだとか言ってる。


「出来れば何か言ってくれると助かるんですけど…」

何かって何を?

「…夢?」

何かとは言われたけど、この言葉の選択は我ながらどうかと思う。

「えっ、夢では…ないです」

思い付く限りの疑問を口にすると、全てに答えが返ってくる。



本当に夢じゃない…。



「上田があたしの事を好き?」

「はい。僕は紗羅さんの事が好きです」

真っ直ぐな瞳。

最後のやり取りに一気に現実に引き戻された。



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