Cutting☆Lovers
近くにあった美容室に入り、髪を切った。

髪を持ち帰りたいと伝えると飛び入りで入った事もあり、少しの間があった後に、分かりましたと答えた。

そりゃ、そうだ。

自分の髪を持って帰る客なんて、そうそう居ないだろうし…

怪しい客だと思われたに違いない。

あたしが髪を切っている間髪好きの変人は嬉しそうに待っていて、あたしはその姿に向かって鏡越しに冷めた目線を送った。

ビニール袋に入っている切った髪を差し出すとその量とあたしの髪型に驚いたらしい。

「ありがっ!…そんなに切っちゃったんですか?!」

「うん」

人生初のショートカット。

そんな反応をされると、不安になる。



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