クリアネス
…………。
「えっ……、ええぇっ!?」
あたしは思わず、座ったまますごい勢いで後ずさりする。
そして突然、回転する視界。
「ぎゃあっ!」
見事、ベッドから落ちてしまった。
「痛ーい!」
「あーあ、何してんのお前」
ベッドの上から差し伸べられたレオの手を、条件反射でつかむと、一気に体ごと引き上げられた。
「……っ」
間近で目が合って、体がすくむ。
まるで捕らえられたうさぎだ。
レオはあたしをベッドに寝かせると、電気を消して着ていたシャツを脱ぎ捨てた。
暗闇に浮かぶレオの白い肌。
あたしはそれを見上げ、息をのむ。
細い、けど、適度に筋肉がついていて……。
「ちょ、ちょっと待って」
「無理。待てねーし」
「だってだって、仕事以外でセックスしないって言ったの、あんたじゃない!」
「そんなの忘れるくらいに好きにさせたの、さくらだろ?」
「えぇっ……!?」
ミシッときしむベッド。
「責任取ってよ。まさか忘れてた? 俺、男だよ?」
レオの体が覆いかぶさってきた。