クリアネス
いや、あのね。
すごく……すごく嬉しいんだけど。
突然すぎる展開で、まだ頭がついていかない。
あたしはあまりの恥ずかしさに、両手で顔を覆った。
「さくら、顔見せて」
愛撫を続けながらレオは言う。
「やだっ」
「なんで?」
「ダメ! 絶対ダメ!」
あたしの顔へと伸びてくるレオの手を振り切って、近くにあった掛け布団を頭までかぶった。
「……何もそこまで嫌がらなくてもいいじゃん」
少し不機嫌なレオの声。
それでもあたしは、さらに深く布団に潜りこむ。
「だ、だって……」
「だって?」
「あたし、もう体売るのもやめたんだよ? 前みたいに、あっけらかんとできないよ……仮にも、好きな人との初めてのエッチで……」
「……」
しばらく間があった。
ゴソゴソ、と何か動く音が布団越しにする。
顔を出して見てみると、レオが脱いだシャツを着ているところだった。