クリアネス
変な夢を見てしまったな。
そう思いながら、枕もとの携帯に視線を落とす。
【受信:レオ
今、おじさんとの話が終わった。
これからそっちに向かうよ。
追伸:大好きだぁーヽ(@^Д^)ノ 】
「バッ……カじゃないの」
そんな悪態とは裏腹に、勝手にほおがゆるんでしまう。
時計を見ると、このメールが届いてから30分以上経っていた。
もう昼だ。
やけに長く眠ってしまたらしい。
さっとシャワーを浴び、あたしはシンプルなワンピースを羽織った。
化粧はしない。
軽く日焼け止めだけを塗って、窓際でレオを待つ。
外はすっかり夏色で、蝉の声がざわめきに溶けている。
風に揺れるカーテンが、あたしの耳もとでパタパタ鳴った。
何だろう……この気持ち。
いくら考えてみても……
“幸せ”、その一言しか浮かばないんだ。