クリアネス
「だけどさくらは、きっと強くなれるよ。そして幸せになれる」
「幸せに?」
「うん。俺が保障するよ。信じて……」
しつこいくらいに、レオは何度も「信じて」と繰り返した。
……信じるよ。
あたしはレオを信じる。
だけどそれと同じように、あたしを信じてくれていたコウタロウの未来を、どうすればいい?
翌朝。
空は昨日に増して鮮やかな青で、あたしはアラームより先に目を覚ました。
瞳を開けて、あたしは驚いた。
いつもなら起きてすぐに目に入るのは、レオの寝顔。
なのに今日は、すでに目を開けてあたしを見ている彼の顔が、そこにあったから。
「おはよ、さくら」
「……おはよ。早いね」
「俺も少し前に目覚めたとこ」
「そっか」
つまりはふたり、同じタイミングで目が覚めたってわけで。
こんなささいなことが、少しだけ嬉しい。
天気がいいから、外で朝食をとることにした。
コテージの庭のウッドデッキは、この時間ちょうど木陰になっていて
葉のすき間をぬって照りつける、わずかな光が心地よかった。