クリアネス
いやいや見られたんだよ。
別に裸なんかいつも見られてるから気にしないけど、コウタロウと一緒にいる時の裸の自分は、見られたくなかった。
あたしがひとりでぶつぶつ言っていると、コウタロウはまるでお姫様でも抱くようにあたしを持ち上げて、ベッドまで運んでくれた。
枕もとにローションが置きっぱなしだったので、あわててシーツの下に隠した。
キスしてセックスしていると、あたしは少しだけ落ち着いていった。
軽く睡眠を取って、1時間ほどで目が覚めた。
すでに服を着たコウタロウが、帰る仕度をしていた。
「泊まっていかないの?」
「明日バイトで朝早いんだ」
「そう」
裸の上にシーツを羽織って起き上がる。
その拍子にせっかく隠していたローションが床に落ちたけど、ひどく眠かったので、足でけって適当にベッドの下に隠した。
お別れのキスをして、あたしたちは玄関で別れた。
化粧を落として寝よう。
そう思って洗面所に向かおうとしたとき、チャイムが鳴った。