クリアネス
ふと振り返って下を見ると、見慣れない靴下が片方だけ、廊下に転がっていた。
その先を見ると、もう片方の靴下。そしてその先にTシャツ。
はて、あたしはヘンゼルとグレーテルの世界に迷い込んだのか?
なんて真剣に悩みつつも、ベルト、ジーパン、トランクス、と拾いながら歩く。
「……トランクス?」
恐る恐る顔を上げると
「裸族、サイコ―ッ!」
「……ギャーッ!!」
全裸のレオがおたけびを上げ、あたしは本日3度目の奇声を上げた。
レオはソファの上で飛び上がり、トランポリンみたいに跳ねている。
あたしは体にまとっていたシーツを落としてしまい、ふたりして全裸である。
「……ねえ、なんで裸になるの?」
「気分がいいから」
「ああ、そう」
なんか、目が回ってきた。