クリアネス
あたしは脱力してソファに座り込んだ。
横でレオが飛び跳ねるせいであたしの体も激しく揺れて、まるで船酔い気分だった。
ぶらんぶらん。
ちょうどあたしの顔の高さで、全裸のレオの大事なものが上下する。
乙女の横でそんなモノ振り回すなよ。
てゆうか、振り回されているのはあたしか。
「お姉さん、なんか元気ねーな?」
「あんたのせいでね」
「あー、なるほど」
レオはなぜか納得したらしく、ひとしきり騒いだ後、あたしの横に腰を下ろした。
目の前の鏡に全裸2体が映って、ひどく滑稽な光景。
並んで見るとレオの体のサイズは、あたしとたいして違わなかった。
不安定な細いラインが、どうしようもなく彼の若さを露呈している。
「ねえ、お姉さんって呼び方やめてくれない? あたしには、さくらっていう可愛らしい名前があるんだから」
「さくら? 似合わないよ」
「似合ってても似合ってなくても、あたしの名前はさくらなの」
「あーなるほど」
レオはそう言って、あたしを名前で呼ぶことを了承した。