クリアネス
……レオ。
一緒に見ようって約束してたのに、先に与那国に来ちゃってごめんね。
だけどあたしは夕日を見るたび、貴方とふたりで見ているような気持ちになるの。
1日が終わり、明日へと続く、この光景を――
……今日はね。
いつもより少しだけ多く、貴方のことを思い出しました。
金髪の男の子に口説かれたりしたせいかな。
それとも、夕日があまりにきれいすぎるせいかな。
ねえ、レオ。
こんなこと言ったら、また笑われるかなあ?
あたしは今も、レオの手を握っているよ。
あたしの右手は
あの日からずっと
貴方とつないだままなんだ――。
「隣、いいですか?」
夕日に染まった橙色の世界で
突然、声をかけられた。
「あ、はい……」
不意にあたしは立ち上がって、そして。
「……嘘」
呼吸すら、忘れた。