クリアネス
第3章【惹かれて】
日曜が近づくにつれ、あたしの気持ちはだんだん重くなっていた。
レオとふたりで外出――
いまいちピンとこなかった。
直接会話を交わしたのはまだ2回だけだったし、やっぱりあたしにとって彼は“道路を隔てた距離から眺める人”なのだ。
だいたい、あんな強引な約束を守る義務なんか、あたしには無い。
これ以上あの子に振り回されるのは癪だ。
断ろう。
うだうだ考えるのをやめて、あたしはレオからもらった名刺を取り出し、そこに書かれた携帯番号を確かめながら押した。
1回目のコールは、なんだか緊張して生唾をのんだ。
2回目のコールはそわそわと貧乏ゆすりしながら聞いた。
6回目のコールで、なかなか出ないので切ろうとした、ちょうどその時……
「さくら!?」
受話器からレオの声がした。