スマイルマシーン
「あッ・・!」
『-ドンッ-』
『-バサバサッ-』
あまり前を見ていなかったせいで、
誰かにぶつかってしまった。
目の前には大量の教科書やノートが散らばっている。
「あ!ごめんなさい!!」
その時、
必死で拾ってるあたしの上から、
キレイな声が降ってきたんだ。
「大丈夫?」
顔を上げた途端、
言葉を失った。
目の前にいたのは、
驚くほどきれいな少年だった。
茶色がかった髪に整った顔立ち。
目はきれいな栗色で、
すっと透った鼻筋。
ぷるぷるの唇は、
まるで桜の花びらのようだった。
顔が熱くなるのが分かった。
「すすす・・すいません!!あ・・じゃあ。」
意味不明の言葉を発して、
その場を立ち去った。