光の雨


ボケ~っとしてたらあっという間に昼休みになった


「ミヤ~、ごはん食べよ~!」

「もちろんだよ、みかみさ~ん!…あ、ちょっと待ってて!行くところあるんだ」

「えー!!どこだよ!」

「一年のとこ!すぐ戻るからぁああああ!!!!」


そう言い残して私は一年の教室がある一階へ向かった。


一年の教室の前の廊下は三年生のところの廊下よりも賑わっていた。何というか…女子が異様に元気だ。そんな中に二年生が一人歩いているとかなり目立つ。

えっと、確か、高橋後輩は一年二組…だったよね?

自分の記憶に不安を抱きながら二組の前に立つ。う~ん、誰か気づいてくれないかな?気を利かせてくれたり…。

その時、一人の不良が親切に話しかけてきた。


「先輩!どうかしたッスか?事件があったとか!?」


何で『事件があった』なんて聞くんだろ?普通は、用事あるんですか?とか聞くよね。事件なんて、滅多に起きないよ…。


「ぇと、高橋…唯くん?居るかな…?」

「あ~!いますよ!おい!唯!!!」


親切な不良は上半身を後ろに向けて大声を張り上げる。なんか、迫力あって超怖い!!!


「…ケン、次俺の事名前で呼んだら…殺すよ?」

ケン、と呼ばれる不良を睨みつけるのは昨日の高橋後輩だった。なんか、昨日と感じが違う。いかにも不良って感じ。……ちょっと、怖いかな?アキほどじゃないけど。


「んぁ?わりーわりー!それよりほら、お客さぁ~ん」


そう言って不良はあたしのことを指さしながら、教室の奥に行ってしまった。


「…あ、確か、昨日の先輩ですよね?」


そう言ってニッコリ笑う高橋後輩は、やっぱり美人。女の子だったら、仲良くするのに…。


「はい、そうです」

「なんか、御用ですか?…あ、お礼持ってきたとか…」



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