光の雨
「ミヤぁ~、一緒に帰ろぉ~」
いつもと同じく、まかみさんなあたしの席にやってくる。そしてあたしも、いつもと同じく返事をしようとして気づく。今日はいつもと違うんだ。
「う~ん、みかみさん、ごめんね~。今日は無理だぁ~」
「えー!!何でぇ!?」
みかみさんが血相を変えて言う。あたしは、急いで理由を説明する。
「えっと、後輩と二人でお出かけするんだよ~。だから、ごめんね~」
「後輩と、って、あんたもう後輩と仲良くなったの!?」
…仲良く?いや、仲良くはないよ。なんか、言うこと聞いてるって感じ。
「いや、違うよ!何か成り行きでそうなったって感じ!」
「ふ~ん…じゃあいいよ!秋と帰るからぁ!」
「うぁ~ん!ごめんねぇ!明日は大丈夫だからぁ!!」
そう言ってみかみさんを見送る。心なしか、みかみさんの背中が切ない。
…ちくしょ~、これも全部高橋後輩のせいだぁ!!いつもならみかみさんと一緒に帰るのに!よし、今日で高橋後輩ともお別れさ!今日だけだから、頑張ろう!!
あたしは気合を入れなおして、昇降口へ、降りて行った
靴をはいて、周りを見回したら、出入り口付近に高橋後輩がいた。
「高橋後輩!」
「……あぁ、先輩ですか。遅かったですね。また、忘れてたとか」
「違うよ!あたしそんなに忘れっぽくないし!」
「はいはい。じゃ、行きましょうか…」
そう言って高橋後輩は歩き出した。
なんか、軽くあしらわれてるのが腹立つ!あたしの方が、先輩なんだぞ!?
「で、どこ行くんですか?」
「ぇ!?決めてないの?あたし、考えてない…」
「…はぁ、じゃあ、マックで何かおごってください」
「え?そんなんでいいの?」
「えぇ。お腹空いたし。それでチャラにしてあげますよ」