光の雨
財布、財布……
どこに入れたかなぁ……
「ほんとミヤっていい子だよね~。あたしなんかこんな奴に何かしてやろうなんて思わないもん」
「こんな奴って、ひどくねぇ?」
2人の会話に耳を傾けながら、カバンの中身を探る
………あれ?財布、無いかも。
学校に忘れてきた?
机の中かな…
どうしよ。取りに戻るしかないよね…
「ミヤ?どうしたの?」
「えへ…財布学校に忘れてきちゃったみたい…」
「はぁ…ほんとお前ってアホだなぁ…」
「ちょっ、取りに行ってくる!すぐ近くだしダッシュで行ってくるから待ってて!!」
「あっ、ミヤ!?」
アキにアホ扱いされたら行くしかないよね!
あたしはみかみさんの声も無視して学校目指して全力疾走した
・・・・・・
「…………ふぅ、やっと着いた…」
短い距離なんだけど全力で走ると結構疲れる。見ると、一年生がちらほら歩いてる。一年生は、今帰りか。一年生の女の子を見るとなんだかあたしより大人っぽい気がする…。
最近の女の子は成長が速いのね…。
そんな事を思いながら、自分のクラスに急ぐ。
「えっと…財布財布…」
ブツブツ言いながら机の中をあさる。
………あれ~?…ないぞ!?
無い無い無い無い無い!!!!!
ここにないってことは…道に落としてきたとか!?
……まじで…?やばくね?それ…。
えっと、心当たりは……ない!!!
「…あ!靴履くときに、昇降口に落としてきたとか!?」
うん!それ、ありえるよ!…でも、今来た時はそんなのなかったよなぁ…。でも、確認して、それでも無かったら…みかみさんに助けてもらおう。
「…よし、とりあえず昇降口に行こう」
そう言って、あたしはとぼとぼ歩きだした