禁忌恋愛
しばらくそんなやり取りがつづいていたんだけどー、、。

「ゆうくーん!!」

人ごみに飲まれてあたしはゆうくんと離れてしまっていた。

「うーらーめーしや~」

遠くで幽霊さんの声がした。


「ぎゃあああああ」

怖い、怖い!!!!

ゆうくんっ助けて!!!!!!

怖くてあたしはその場にしゃがみこんでしまった。

まだ幽霊の声が聞こえる。
て言うか更に近づいているように聞こえる。

もーホンと無理!!!

涙で瞳が潤んだ時ーーーー、、


「美衣!!」

息を切らせた、ゆうくんの声がした。

「ゆ、ゆうく~ん」

顔を上げれば、少し困ったような顔で息を切らしたゆうくんの姿。

「悪い、手、離しちまった」

ゆうくんがもう一度手を差し出す。

「もう、離さない」

ゆうくんの真剣な、顔。

少しかすれた低い声。

ドキン!!!

体がいっきに熱くなった。


ここが、真っ暗で、良かった…。
だって、きっと今のあたしの顔は、、、

真っ赤、だから。


あたしは震える右手を、差し出したーーー。




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