禁忌恋愛
「うん…」
嬉しいような、悲しいような、そんな複雑な思いのままゆうくんの隣に座った。
ゆうくんの首によって付けられた純白のハートのネックレス。
イルミネーションの光と共にキラリと光った。
まるであたしのおかしな心を戒めるかのように。
ゆうくんにも、付けるのかな…?
チラリとゆうくんを見上げれば少し寂しそうな笑顔とぶつかった。
「いつか、お前がもっと俺を信じくれるまで、お前が……おとうさんって呼んでくれるまで…俺は付けない」
「ゆうくん…」
そう。
あたしはゆうくんの事を、『おとうさん』と呼んだ事はない。
気づけば、『ゆうくん』だった。
…呼んでほしいのかな?
おとうさんって。
さっきのあたしの言葉はゆうくんを傷つけてしまったかな?
ゆうくんを悲しませてしまったかな…?
あたしはぎゅっとネックレスを握りしめて目を閉じた。
…『おとうさん』って今、呼ぼう。
そうしたら、ゆうくんは喜んでくれる。
ー…きっと。