禁忌恋愛




「…ん…?」


優しい風の音に目が覚めた。


え…、この子…。



広い草原に可愛いらしい女の子とあたしがポツリと寝そべっている。


………また…あの夢だ。

でも1つだけ、違う事がある。


その子は涙を流していた。

肩が小さく小刻みに震えている。


「どうしたの?」


女の子の肩に手を置いて顔を覗き込む。


「え…」


途端に女の子はあたしに抱きついた。


「怖がらないで」


初めて聞いたこの子声は小さく、震えていた。



女の子の頭を撫でながら聞いてみる。


「何、を…?」



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