禁忌恋愛
「分かっているはずだよ?本当は」


そう言ってゆっくり顔を上げた女の子は悲しそうに微笑んだ。

そんな彼女の悲しそう笑みはあたしの心を痛いくらいに締め付けた。


どういう事、なんだろう?
聞きたい事は山ほどあったけど一番知りたかった事を口にした。


「あなたは…誰なの?」


女の子は小さく
「…サクラ」と呟くとあたしから離れた。


初めて知った。
彼女の名前。


「サクラちゃんって言うんだね。あたしはー…」



サクラちゃんはあたしの言葉を最後まで聞かず走り出した。


「サクラちゃん!?」


サクラちゃんはくるんっとフワフワのスカートを揺らして振り向いた。


綺麗な黒髪が風に靡いているその姿にはもう涙はなかった。


「知ってるよ?…美衣。…あたしの大切な美衣」


…え?


最後に見えたのはサクラちゃんの温かい笑みだったー。



「ん…」


目が覚めれば…あたしの部屋で。


何だったんだろうー…。
今の夢、、、。

…また、サクラちゃんに会えるかな?

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