禁忌恋愛
「なによぅ!帰って来たらダメなのぉ?」
お母さんは笑いながらお鍋をお玉で混ぜている。
プチ。
あたしの中で何かが、切れた。
「なにが、帰って来たらダメなの?よ!!!あたしの事も、ゆうくんの事も捨てておいて、自分勝手すぎよ!」
お母さんはびっくりしたようにあたしを見るとグズグズ…っと泣き出した。
「ひどいわ、美衣…」
あたしはそんなお母さんを見下ろして言い捨てた。
「ひどいかもしれない。だけどあたしはあなたを恨んでる。憎んでる。これは事実よ」
お母さんの肩がピクリと震えた。
「早紀…?」
ゆうくんの声が後ろで聞こえた。
あたしの声が大きかったから起きちゃったのだろう。
「優羽…」
お母さんが涙をふいてゆうくんを見つめた。