禁忌恋愛

「はい、美衣オレンジジュース好きよね」


「ありがと」


結局お母さんは電車を一本遅らせる事にしてくれた。

ホームのベンチに座ってオレンジジュースを飲んだ。
甘くて美味しい。

昔から大好きでよくお母さんが買ってくれたっけ。
全部飲めないあたしにお母さんが残りを飲んでくれていた気がする。


あたしは半分くらい飲んでお母さんに渡した。

お母さんは何も買ってなくて待っていたかのように優しい笑顔でそれを受け取り口をつける。


「ねぇお母さん」

「んー?」


「あたし……、ゆうくんが好き」


「ん。気づいてたわ」


お母さんの手のひらがあたしの頭を優しく撫でる。


「やっぱりあたし達親子なのねぇ」

ぼそりと呟いたお母さんの言葉はどこか温かさを含んでいた。

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